愛猫の死を悲しみを乗り越えられない立ち直れない-ペットロス-

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愛猫の死を乗り越えられないと思う人が本当に多いです。
というか「乗り越えなければならない」と強く思っている人が多い気がします。

また、それを周囲に相談すると「いつか乗り越える時が来るから」と励まされ、逆に落ち込んでしまうこともあります。
「乗り越えなければならない」と半ば強迫観念のようになっている側面を感じます。

「乗り越える」や「立ち直る」「克服する」という言葉は、苦境に立たされた人がそれに立ち向かい打ち勝つと、「乗り越えた」「立ち直った」「克服した」と言われ、時に称賛されます。
美談として語られたり、美徳のように感じる。

それを非難してはいませんので誤解のなきよう。

本当に乗り越え立ち直る必要があるのか

どうして、何故、乗り越えるの?乗り越えなきゃいけないの?

いつまでも悲しんでちゃだめだから。いつまでも泣いていたらあの子が悲しむから。成仏できないから。

本当にそうなの?あなたが悲しんでいたら、泣いていたら、なぜ亡くなったあの子が悲しむの?亡くなったあの子は、そんなに冷たいの?
成仏できないなんて誰に聞いたの?

その悲しみは、涙は、あなたの大切な家族への愛情そのもの。だから無理やり止めることができないの。
そんなに愛された幸せな子が、あなたが泣いてるからって怒るの?

「私のせいで、こんなに悲しませてごめんね、そんなに泣いてくれて、死んだあとでさえ私はなんて幸せなんだろう、本当にありがとう。
でもね、ちゃんとご飯は食べてね、身体こわしちゃうからね。」

そんな風に、悲しみにくれるあなたを心配はしてると思いますよ。
あなたが生前その幸せな子を心配していたように、いつも気にかけていたように。

「悲しみを乗り越える、その方があの子もきっと幸せだから」そんな風に思うなら、それは何も否定はしません。
そこに「無理」は必要ない、悲しいんだから仕方ないじゃないと思うのです。

そもそも「乗り越える」って、私は何だか少し違う気がします。
乗り越えるとか、あと「立ち直る」もよく言われることですが、全然必要ないことだと思っています。

「気丈に振る舞う」は、場面で必要なこともあるでしょう。
個人的なことで、関係ない他人に迷惑はかけたくないと思う程度です。

それでも「気丈に振る舞う」のが難しいようなら「ごめんなさい、ペットを亡くしたばかりで」と断れば、辛辣な態度をとる人は少ないでしょう。
ただここも注意は必要で「たかがそれくらいのことで」と、1ミリの共感も示さず、奈落に突き落とす人もいなくはありません。

そんな酷い言葉を投げかける人は、こちらに書いたように何らかの理由があるのかもしれません。

愛猫の死に対し家族と感情の温度差がある理由

いつになれば悲しみは癒えるのか

「時が経てば自然に」とか「新しいペットを迎えれば」とか色々で、悲しみが癒えたと感じる時期は人それぞれです。
また、一生癒えないかもしれません。

私個人のことで言うと、ココアとみるくが相次いで虹の橋のたもとへ旅立った後、本当に毎日泣いていました。
ただ、ごく自然に次の子を迎えようというのは主人と話していたんですね

引越しがあってバタバタしましたが、みるくが亡くなって約半年後に保護猫の里親になることができました。

引越しのバタバタと、保護猫がうちに慣れるまでは本当に忙しくて、泣いている暇もなかったです。
でも色々が落ち着いてくると、悲しみがぶり返しました。

悲しみというより、私の場合は寂しさなんですけどね。
猫を亡くした時、悲しみを寂しさが上回り、驚いたものです。こんなにも寂しいんだと。

迎えた保護猫モカはすっかり甘えん坊になって、膝の上で寝たり毛づくろいしたり、家中ストーカーしたり。
この子はこの子でもちろん可愛くてしかたない。

本当は私が寂しくて、モカに甘えていたから、私がひっついていたから、それで甘えん坊になったんです。

こんなに可愛い子を迎えても、何とも言えない寂しさを感じるのです。
ココアとみるくは18年という年月を共に過ごしたのもあり、喪失感の凄さにも驚きました。

その寂しさは今も変わらないと感じています。
寂しさは消えませんが、彼らの暖かさが幸せとして心の中にしっかりと残っています。

ペットロスと言ってしまえばそれまでだけど、その言葉ではおぎないきれない。
そして、この先もこの寂しさは変わらないのかもしれないとも思います。

寂しさは変わらないけど、モカが最高の癒しをくれているのは紛れもない事実。
ココアとみるくにもらった沢山の幸せをモカに返そうと、大切にしています。

もしかしたら、あなたのその悲しさや寂しさは消えることは永久にないのかもしれません。
でも、それでいいと思いませんか?それこそが一緒に暮らしたあの子がいた証でもあるのですから。

ただし、悲しみや喪失感から心を病んでしまう心配はあります。
こちらの記事がわかりやすかったのでリンクしておきますね。

ひだまりこころクリニック
・ペットロス症候群(グリーフケア含む)

悲嘆とうつ病との違いという項目があり、悲しいという感情が波のようにぶり返す「悲嘆」。
出来事に関係なく、ずっと落ち込んだ気分が続き、嬉しい出来事があっても気分は沈んでいる「うつ病」。

もしあなたが日常生活に支障をきたす状態ならば、一度カウンセリングを受けた方がよいでしょう。
そのうち良くなると思っていても、うつ病だと単純ではありませんから、専門医になるべく早く相談することをおすすめします。

最後に、あなたの胸の中には、大切なあの子が残した暖かさが幸せが必ずあるはずです。
虹の橋のたもとへと旅立ったあの子は、本当に幸せだったのです。
そして、あなたも幸せだったでしょう?それを胸に日々過ごすことから始めてみましょう。

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