お花の水揚げとは?難しくない3つの方法で切り花を長持ちさせる
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お花が届いたら、お花を買ったら、そのあとどうのようにして生けるのか、切り花を生けるための簡単で基本的な方法をまとめました。
お花が届いたら水揚げしましょう
準備するもの
花切狭やフローリストナイフなど専用の刃物がない時は、キッチンバサミや果物ナイフで代用可能です。
- ・バケツや洗面器など
- ・花切狭やフローリストナイフ
- ・花びん
重要なのは、スパッと切れ味が良いこと。
切れ味が悪いと、茎の中の水が通る管を押しつぶしてしまい、水をよく吸えなくなってしまいます。
ただ、花切狭やフローリストナイフなど専用の道具は、やはり使いやすいので、作業も手早くできますヨ。
カーネーションやマムなどの硬い茎や、枝物の処理には強い味方になるので。
あると便利なもの
お花の栄養剤
ほとんどのお花は液体タイプの栄養剤が一緒に届くので、とりあえずはそれで済みます。
私はお花の栄養剤に「クリザール」の粉末タイプを使っています。
ガサツなので、液体だとこぼしてしまって、ベタベタに・・・。
500mlのペットボトルにクリザールの粉末を溶かして、あらかじめ準備してます。
時間がある時に、1~2本余分に作っておくと、なお便利。
お花の栄養剤がある場合と無い場合の花もちや、花の発色の違いなどのデータです。
長野県HP
・「切り花栄養剤」による花持ち延長効果より温度や切り花の種類など条件によって異なりますが、水だけでは2日程度で水が腐敗する場合があります。
切り花栄養剤を使用した場合は雑菌の繁殖が抑えられるため、水替えの手間を減らすことができます。
これらの効果は多くの花で確認されています。
箱から出し、包んであるセロファンや紙、ゴムや紐、保水用のケースや袋、ジェルなどを全部外します。
流水で保水用のジェルやヌメリを洗い流します。
花びんの水に浸かる部分や変色がある葉は取り除き、葉が沢山あるお花なら、葉っぱを減らすようにしてください。
葉が多過ぎると、お花に水や養分が届きにくくなり、また、生ける時に花びんの口がいっぱいになってしまいます。
花の水揚げ3つの方法
以下の3つの方法以外にも、切り口にミョウバンをすり込む、火であぶって炭化させるといった方法もあるんですね。
あくまで「プロが行う方法」だし、私自身がこの先も行うことは無い方法なので省略。
基本は「水切り」で、お花に元気がない時は「深水での水揚げ」をしてみる。
最後の「湯上げ」は参考程度で構いません。
水切り
洗面器やバケツに水を張り、水の中で茎を1センチほど、斜めにカットします。これを水切りといいます。
カットしたらすぐに、水が入った花びんやバケツに入れて下さい。
「水の中で茎を斜めにカット」ここがポイント。水を少しでも吸ってもらうためです。
水中で斜めにカットするのは断面が空気に触れないようにし、切り口を広くしたいから。
水を吸い上げるのに、空気が邪魔にならないようにというわけですね。
他に「水圧がかかるから吸い上げがよくなる」とか、「雑菌に触れさせないため」など、書かれている記事を見掛けますが、個人的には空気が邪魔にならないように程度という印象。
水圧は水面からの深さのみで決まるので、水圧を気にするなら深い容器でカットしなければなりません。
深い容器で両肘までも水に入れて作業するのは実質的ではないかな。
雑菌もないに越したことはないですが、そもそも人の手自体が雑菌だらけでしょ?
カットに使うハサミやナイフを都度消毒するのかな。
水切りしながら、お花の様子を観察して、今一つ元気がないようでしたら深水での水揚げをした方が良いですが、お花が元気な場合は花びんに生けて大丈夫ですヨ。
これも「深水での水揚げ必須」みたいな記事がよくありますが、そこも「臨機応変」で構わないのです。
水切りは、切り花を飾る時の基本。
花びんのお水を入れ替える時に切り戻して、切り口を新鮮にするのですが、こちらも水切りした方が良いです。
私は、切り戻しも水中では少ないかも(笑)。
花びんの水を入れ替えて、広げた紙の上か、生ごみ用のネットの上で、チョキチョキパチパチ。
深水での水揚げ
届いたお花に元気がない、飾って日が浅いのに元気がない。そんな時に試してほしいのが「深水での水揚げ」です。
ポイントは、茎の下5センチほど残し、新聞紙などで全体を巻いてしまうこと。
なるべく沢山の水を吸って元気になってもらうのに、お花は葉っぱから水分が蒸発しちゃう。
それを防ぐ目的と、水面に対してなるべく垂直に入れたいから。
お花って、例えばバケツに複数本入れるとバラけちゃうし、頭が重いコは倒れてしまうでしょ?
紙で巻くと扱いやすくもなるのです。
ちなみに我が家に「新聞紙」はありません。以前は朝刊だけ配達してもらっていました。
新聞紙って何かと便利なので、新聞紙に代わるものがないか探すと「無地の新聞紙」というのがネットで売っていて重宝しています。
水を弾かず、あっという間に溶けない紙なら新聞紙じゃなくて大丈夫です。
葉を上に向けた状態で、葉の部分はキッチリきつめに、花の部分はふんわり巻いてください。
巻いたらセロテープなどで留めて、ほどけないようにしましょう。
紙を巻いたお花をたっぷり水が入った容器に、垂直に入れます。
葉っぱからの水分蒸発を防ぐために、深水につける時は巻いた紙自体も水に触れるようにしてください。
横に広い容器だとお花が倒れてしまいますから、バケツや背の高い花びんが向いています。
私は中々垂直に入れるのが難しく感じて、背の高い花びんを使ってます。お花も倒れにくいです。
この「深水での水揚げ」なら、水圧も多少は関係あるかと思います。
深水での水揚げの時間は、1時間~3時間位経って花びんに生けると良いです。
深水での水揚げで必ずお花が元気を取り戻すわけではありません。
その時は、その力がもう残ってなかったか、そもそも新鮮な状態で出荷されていなかったのかもしれません。
土に根を生やしている時ならまだしも、切り花になると途端にデリケートになってしまうのです。
輸送時間が長くお花が疲れ切ってしまった、蒸し暑かった、寒かったなど、原因は様々。
福岡だと、発送から翌々日到着になることも多く、特に暑い場合、実際にお花の元気がなくなるという経験はあります。
湯あげ
上記の「深水での水揚げ」のように紙でお花を巻きます。
紙で巻かれていない部分、ほんの3センチ位を90度以上のお湯につけるという方法。
えっ、ゆだってしまわないの?って思っちゃいませんか(笑)。大丈夫だから不思議ですよねー。
もちろん草花のような、茎が本当に細い場合は無理だとは思います。
湯あげの目的は、茎の中の空気を抜くことです。同時に殺菌もできる。
30秒前後、お湯につけると、ぷくぷく泡がでてきます。これが空気。
空気が抜けたら、すぐに水につけて冷やします。
水につけて冷やすといっても冷水の必要はありません、常温でOK。
湯あげは熱湯を使うので、お湯を沸かさなければならないし、お湯を張る容器もちょっと考えてしまいます。
この努力が報われて、お花が元気になればいいですが、これも絶対的な方法ではありませんし「参考程度に」で構わないと思います。
水揚げが終わったら、いよいよ花びんへ生けて飾る時です。
もっと気軽に楽しんで
花を飾らない理由の一つに「面倒くさそう」というのがあります。
毎日水をかえて、その度に切り戻して、そもそも近所にオシャレなお花屋さんがないし・・・
おしゃれな組み合わせで買えない、どう買えばいいかわからないといった理由もあります。
花の世話は難しく考えず「頭の中で」基本をおさえて、私のように適当にやっていても特に問題はないので。
こうしなきゃ、これじゃなきゃダメ!なんて、何かのお作法ではないのですから、とにかく気軽に楽しんでほしいのです。
花を眺めて「可愛いな、きれいだな」ってホッとできる時間が大切ではないでしょうか。
忙しいから無理な方も、忙しいからこそホッとしてほしい、癒されてください。
近所にオシャレなお花屋さんがない、こればかりはどうしようもないですよね。
私も同じくなので、年末年始は赤い実の付いた千両、春はチューリップ、そして母の日のカーネーション、アジサイ、ひまわり、ほおずき、ユリ、ポインセチア、シクラメン・・・通年だと菊。
季節のお花でもいいのですがマンネリ化するし、そこに何か葉物を足したい。それが近所のお花屋さんじゃ無理。
だからネットのお花屋さんを頼ることにしました。
手軽なポスト投函タイプや、宅配便で配送されます。
これなら「荷物とお花を無理やり持って帰宅」といったことも解決できますからね。
しかもプロが選んだ花材なので、葉物などのグリーンも入っています。
可愛くオシャレが叶うのです。
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