猫の粗相が治らない。18年間試行錯誤した飼い主が見つけた現実的な解決策とは
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ネット検索、AI検索、書籍、獣医師の助言など、あらゆるアドバイスを元に、愛猫の粗相をなんとかできないか模索し続け、それでもなお改善できず、途方に暮れる飼主さんへ。
きっとこちらの記事に書いたようなことは全て試されたのだと思います。
【猫の粗相】悩んで困っていませんか?原因診断から具体的解決策まで徹底ガイド
結論から先に書くと、現状を受け入れてください。もうやるだけのことはやったといえますので、これ以上は難しいでしょう。
あなたにとって、一縷の望みを絶ってしまうような酷い言葉を投げかけているように感じるかもしれません。
毎日片づけに追われてヘトヘトで、投げ出したいと思うことだってあったでしょう。
それでも一所懸命猫の粗相に付き合ってこられたあなたは、我慢強く、真面目で優しい飼い主さんです。本当にお疲れさまでした。
猫は人の暮らしに近い動物だったとはいえ、元は外で暮らしていた野生動物です。
自由な生活を送れる代わり、常に命の危険があったわけですね。
家猫として人に飼われるようになり、今では(特に日本の場合)完全室内飼いが当たり前となりました。
室内飼いが当たり前になったとはいえ、猫が持つ本能が消えることはありません。
私たち人間の側で、その本能から来る行動を変えるというのは、本来おこがましいことなのかもしれません。
「これからもこのコと暮らしたい」「幸せな猫でいてほしい」と願うのであれば、現状を受け入れてほしいと思うのです。
猫の粗相に、18年間付き合い続けた私の話を少しだけ聞いていただけませんか?
もしかしたら、優しい飼い主さんと可愛い猫ちゃんのこれからに、ヒントが見つかるかもしれませんよ。
おしっこ問題の始まり
これは亡くなった飼い猫のお話で、現在のものではありません。亡くなった猫たちと暮らし始めたのは、もう20年も前のこと。
当時は今の様に猫を飼っている人が少なくて、猫グッズも豊富ではありませんでした。
今の時代は、様々な便利グッズはもちろん、猫に関するいろいろな情報はネットに溢れ、大概のことはネットやAI検索でわかるようになり、ねこのきもちという月刊誌を頼りにしていたのが嘘のようです。
この記事を書いている時点で、彼らが旅立って3年余りが過ぎましたが、悲しみや寂しさが無くなることはありません。
亡くなった飼い猫について記事にするのは、まだまだ辛く涙もありますが、「猫の粗相」という、ある種の困難に襲われ、心身ともに疲弊してしまっている、まじめで優しい飼い主であるあなたの、そのやるせない気持ちが、ほんの少しでも軽くなればと思います。
旅立ったコは、オスのココアと、メスのみるく。今で言う「多頭飼育崩壊」を起こした、主人の知り合いから半ば押し付けられるように、引き取った猫たちでした。
当時は別の人から「飼えなくなった」と、こちらも押し付けられたような先住猫のシュリがいたのです。
猫は本能的に「ここがトイレだ」とわかるから、特別なしつけをしなくても大丈夫だと、初めて猫を飼う人に向けた数少ない猫関連の書籍に書いてありました。
実際にその通り、何もしなくても、猫用トイレで排せつしていました。
生後3ヶ月位で、片手でひょいと抱えられるほど小さかったのに、ちゃんとトイレがわかるなんてスゴイ!と喜んでいたんですね。しかしそれはつかの間のこと。
生後4ヶ月位になると、生活にも慣れ、部屋中大冒険が始まります。
その途中で、どちらかがトイレではない場所で粗相をするといったことが、私たち夫婦の留守中に起こるようになります。
ココアの粗相は治らなかった
程なく、ココアが布団の上でおしっこしているのを目撃してしまいます。
ココアだったのかと脱力しつつ、なぜなのか理由がよくわからない中、なんとかたどり着いた答えは、トイレの数を増やすこと、去勢すればおさまる可能性があることでした。
猫が3匹もいるのに、当初トイレは一つだけ、清潔さもキープ出来ていなかったと思います。
完全室内飼いのは初めてで、飼い主側の知識不足と、今ほどネットも猫用品も普及していないので、物と情報の不足もありました。
猫用トイレの選択肢はほとんどなく「にゃんとも清潔トイレ」を3台購入。
トイレを新調するのは、ある種のかけでもありましたが3匹とも使ってくれて、ひとまず胸をなでおろす。このまま問題なければいいのに・・・
しかし私たち夫婦の留守中に、粗相。座椅子をトイレ代わりにした感じです。
ココアだけでなく先住猫のシュリまで!ショックでした。玄関ポーチにしていることもあったなあ。
二匹分の片付けは大変以外の何物でもありません。
そして、とてもじゃないけどメチャクチャ臭い!ニオイが取れない座椅子は捨てました。
そんな怒涛の日々から、あっという間にココアが去勢できる月齢に到達し、去勢していなかった先住猫のシュリも一緒に。
去勢して、本当に落ち着きましたよ。もちろん完全にではありませんが、圧倒的に粗相の回数が減りました。
シュリはほとんど粗相をしなくなったかな?翌年には亡くなったので、彼との生活は短かったんです。
ココアは昼間全然大丈夫だったのですが、布団にするのは治りません。
毎日するわけではないけど、一度するとニオイが取れなくなるので、安価な布団を買っては捨てていました。
フカフカする布団に粗相してしまうといったことは、当時でもネット検索などでも出てきたんです。
布団をやめる
布団があるから粗相をするのなら、布団を出さなければいいのかも?と思い、毛布と敷布団だけにしてみました。
すると、毛布がかかっていない敷布団の部分、枕の横などにするのです。
どうしようもないので、敷布団もやめて、寝室は幸い畳だったので、薄い薄い敷きパットに毛布を重ねて掛けて寝ることに。
冬は寒いからと、中綿入りの毛布を試してみたのですが、結局、絶対にしてやる!というような強引さを感じる様子さえ見せたので、中綿入りの毛布も諦めました。
布団をやめて良かったのは猫の粗相の片付けが楽になっただけではありません。
毛布にしたことで、暖かさの調整がしやすくなったんですよ。
そして何より布団カバーを外して洗う、洗ったものを付けるという面倒な作業がなくなりました。
CMなどで「こんなに簡単に」と、布団カバーの付け外しが楽な商品という物がありますが、そもそも布団ってサイズが大きいので、そう簡単にはいかない。
楽家事を目指す私に毛布だけという選択は、かえってプラスになったのです。
ただ、敷布団はさすがにないと体にこたえますので、今現在は敷布団、マットレスですが使っています。
布団がないから絶対に粗相しないわけではありませんが、布団がなければ回数が圧倒的に少なくなるんですね。
布団をやめて、でも毛布にされてもいやなので、編み出した技が「オシッコシートでカバーする」でした。
オシッコシートで毛布をカバー
粗相は治らない。だったら、こちらの負担が少しでも軽くなる方法はないのか考えました。
オシッコシートで毛布をカバーする前に、まず試したのが、介護用の撥水加工されているカバー。
染み込まないからニオイも残りにくいだろうと思いました。
撥水して水分を吸わないから、おしっこが水滴になって床に落ち、汚れを広げるだけでした。完全に失敗。
こういう時「こんなことも予見できなかったの?」と言いたげな主人の態度が嫌でした。
基本的な世話はしても、トイレなんて一度も洗ったことがなく、猫の粗相の対処法も全部私に丸投げしていたんですから。
困りごとに対処するのは全部私。「あなたが引き取った猫でしょ?」と言ったこともありましたが、暖簾に腕押し、糠に釘で、どこ吹く風。
彼は自分の命に関わるような大事でもなけれな真剣にならないのです。
それでもココアの闘病中は3年半もの間、通院し、薬を乳鉢ですりつぶし、一回分ごとに分けるといったことだけはしました。
私は車の運転免許を取得しておらず、身体も弱いから、仕方なくやっていたとも言えますが。
「私より接する時間が圧倒的に短いよね?少しでもお世話したほうが後々後悔しないかもよ?」といったことが、彼には効いたようでした。
特にココアは主人にベッタリでしたので、このままでいいのかな?と感じましたもの。
撥水加工のシーツがだめなら、もうこれしかないと、オシッコシートを複数枚、両面テープでつなぎ合わせて大きな一枚にして、毛布の上にかけます。
ずれないようにクリップで留めていました。
オシッコシートは不織布でできて、両面テープはくっつきにくいので、強力な粘着力があるタイプにし、さらにガムテープで補強しました。
おしっこをしている部分だけカットし貼り足す、ある程度使うとボロくなるので、新しく作ります。
時間がある時に、作ったものをストックするようにしていました。
他に何か良い方法があったのでしょうか?
オシッコシートで毛布をカバーする方法は、ココアの晩年にも役立ってくれました。18歳の老猫には、トイレにいくのも億劫だったのだと思います。
オシッコシートがある場所はトイレだという認識だったのか、老猫になってもオシッコシートがない場所では、おしっこしなかったんです。
ただ、旅立つ少し前には、みるくがお気に入りのベッドにウンチしてしまって。
こんなことは今までなかったのにと、老いた猫に悲しさや愛おしさ、様々な気持ちがない交ぜになって、涙したのを覚えています。
みるくはうんち擦り付け
みるくは💩の後、おしりを床に擦り付けるということをしていました。
こういった行動は肛門腺から上手く分泌物を出せないことが原因だと言われています。
通常、💩をする時に肛門腺が圧迫されて、💩と共にこの分泌物が排泄されます。
生まれつき肛門腺が出にくかったり、下痢などで炎症を起こし、排出する穴がふさがってしまっていると、肛門腺液が溜まり続けてしまうんですね。
肛門腺が出にくい猫ちゃんの場合、定期的に絞ってあげることが必要なのです。
一度病院で絞ってもらって、やり方も教わりましたが、まず触らせてくれない。
デリケートな場所だからなのか、簡単には出来ないのです。
仕方なく、また病院で絞ってもらっても、おしりを床に擦り付けるという行動は無くなりませんでした。
毎回擦り付けはしないものの、少し柔らかめのものを排せつすると、すぐに擦り付けていました。
ちなみに、みるくはお腹が緩くなりやすいので、ちゅ~るは一口だけ、ウエットフードはNG、ドライフードは様子を見ながらで、お腹が緩くなる頻度が高いフードは変更していました。
フードを変更したからといって、絶対にお腹が緩くならないとはいきませんから、少量入りを買って試して、大丈夫そうなら続けるといった感じですね。
擦り付けをしていなくてホッとしたのもつかの間、少し柔らかめのものが出た後は床に💩の欠片が落ちていることもあり、夜中落ちているものに気付かず、スリッパで踏んでしまって、床中に💩のスタンプを押して回ったといった事件もありましたね。
これは頻発する事例ではありませんでしたので、夜中に地雷踏んで大変だったよと、翌日爆笑する気持ちの余裕がありましたが、💩の擦り付けには正直なところ疲弊してしまいました。
特に柔らかいものの場合、ニオイが凄まじくて半ば息を止めつつ片付ける日々。
みるくも晩年は緩い緩くない関係なく、もう癖になっていたのか、💩のたびに擦り付けていましたね。
猫の認知症になっていた可能性
みるくの場合、おしっこの粗相は滅多にありませんでした。
年に一度あるかないかなのですが、トイレ以外で排せつしないみるくが、トイレの入り口付近でおしっこをしてしまうという事態がありました。
トイレの入り口と床を少し汚す感じで、1度粗相すると3回位同じ状態が続きます。
でも結局、いつも「その時だけ」で何度も続くわけではなかったです。
それでも旅立つ前1年間位は、トイレの入り口と床を少し汚すという状態から、トイレの近くでする状態に次第に変わっていき、最後はトイレと関係ない部屋の真ん中あたりでするようになったんですね。
もう17歳ですから、猫の認知症になっていた可能性はあります。
認知症になるとトイレの場所を忘れたり、空間の認識能力が低下するので、みるくはピッタリ当てはまります。
認知症の症状の一つ、叫ぶような夜鳴きもあったので、完全に寝不足状態の日々を送っていました。
おしっこの粗相も増えたことで、トイレの周りにオシッコシートを敷き、更に寝室にも布団がない場所にはオシッコシートを敷いて、排せつしたら取替えるを繰り返していました。
タイルカーペットを洗って干す
排せつ後、ガシガシと砂を掛ける仕草をしたり、オシッコシートがずれている場合もあるので、万が一を考えて、オシッコシートの下にはタイルカーペットを敷いて二重の防御を作っていました。
タイルカーペットを洗うのは難しいことではなく、特に💩はティッシュでぬぐった後、中性洗剤でしっかり洗って、ぬるま湯で流すと綺麗になります。
ただ、タイルカーペットを干すのが結構大変でして。
初めは洗ったものを浴室の壁に立てかけて水を切って、干すというようにしていましたが、枚数が増えると立てかけておく場所が足りなくなり、浴室の壁にフックを取り付け、ダブルクリップでタイルカーペットを挟んで、引っ掛けていました。
当たり前ですが、この方が水切れも良かったです。
タイルカーペットは水分を含むと意外に重さが出るので、バネの弱いピンチでは挟めなかったです。
それでダブルクリップを使っていました。
しばらくして、100均で買ってきた物干しハンガーのクリップが強いとわかり、天気が良い日はタイルカーペットを洗ったらすぐに、物干しハンガーに挟んでベランダに干すようになりました。
表に出にくい飼い主さんの本当の苦労
オシッコシートをあちらこちらに敷くようになってわかったことがあります。
猫ちゃんやワンちゃんを飼っているお宅で、床だけでなく壁にもオシッコシートを(マステで)貼っているのをテレビ番組で、たまに見かけることがあったんです。
粗相してしまうから?猫はしつけができませんが、犬は出来るんじゃなかったの?と不思議でしたが、猫も犬も「しつけ」うんぬんではなく、どうしようもないから飼い主さんの最終手段だったのかな?と今なら理解できるんです。
猫ちゃんやワンちゃん専用のお部屋を用意できればいいですが、それだったら飼い始めの時から専用部屋に入れないと、出たがって大変になりますもんね。
来客時でも構わず壁にもオシッコシートを貼っている状況は、もうこの方法しかなかったんですね。
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を補完する目的もあり粗相に焦点をあてた内容になっていますが、ココアもみるくも、まあまあ嘔吐するタイプで、そちらも中々大変でした。
現在モカと名付けた保護猫がいます。モカは粗相が全くない上に、嘔吐は稀。
猫は吐くものだと思っていましたので、本当に個体で様々違うのだということもわかりました。
粗相をしない、床に擦り付けもない。モカはまだ4歳に満たないので、少し気は早いですが、このコが年老いた時は、もっとうまくケアできるだろうと思っています。
あなたは大丈夫ですか?
ネット、特にSNSでは飼い猫の可愛い様子、お利口さんな様子ばかりが目立ちます。
目立つというより、そういったものが溢れていて、本当はあるかもしれない飼い主さんの苦労が霞んでしまっている感じがします。
そういった、キラキラ寄りの投稿ばかりを見ていると、猫は粗相など滅多にしないのでは?といった誤解を生む原因にもなっている印象があるのです。
キラキラ寄りの投稿に引っ張られすぎないというのも大切なのかもしれません。
コロナ禍で散歩の必要がない猫を飼う家庭が世界的に増加しましたが、コロナ禍が終わると「なつかなかった」「コロナ前の勤務形態に戻るから飼えない」などの理由で、結局手放す人が増えたのも事実。
コロナ禍でおうち時間が増え、SNSで良い面ばかり目にする人が多くなったからでは?と、私は考えています。SNSの影響も一因であろうと。
また、飼い猫の世話をするのは当たり前なので、「大変だけど頑張ってます」といった内容のSNS投稿やブログはよく目にしますね。
そこに「頑張っていて偉い!」みたいなコメントが付いたり、いいねが押されたり。
本当は、もうこれ以上どうしようもないほど頑張っていて、でも投げ出せることではないからと日々奮闘している。
心身ともに疲弊してしまって、心の余裕もなくなり、あらゆる面で色々なことが削られてしまう。
「大変だけど頑張ってます」だけじゃなく、「また粗相してた、真夜中に片付けて寝不足」とか「色んな方法試したけど全部だめだった」といったような、辛さ大変さ、苦労・・・そういった、弱音、ネガティブ、愚痴・・・それをもう少しSNSで吐露してもいいのでは?と思ってしまいます。
もちろん、そうしたからといって問題が解決できる可能性は限りなく低いですが、飼い主であるあなた、いつも一所懸命頑張っているあなたの心持ちが、ほんの少しでも変わればいいなと思うのです。
少なくともここに一人、理解できる人間がいますからね。
私がこうして過去の出来事を記事にしているのは、猫を飼うことは大変なことも多々あると知って欲しいと同時に、過去の自分を誉めたいからなんですよ。
飼い主の責任として世話するのは当たり前?そんなことは誰でもわかっています。
粗相問題だけでなく、先代たちの晩年は闘病生活でもありました。
私自身は偏頭痛持ち(その他色々)で、光の点滅、疲れ、ストレスなどが偏頭痛の主な原因。処方薬を飲めば痛みは治まりますが、倦怠感が凄まじく、できれば一切合切何もしたくありません、ひたすら回復を待つのみとなります。
それでも主人いない時間帯は、絶対に私が猫たちの世話をしなければならないわけです。
特に彼らが旅立つ前の3、4年は飛ぶような日々で、正直記憶が曖昧な部分さえあるのです。私にしてみれば「凄まじい日々」でした。
それでもね、旅立った彼らとまた暮らしたいと思うのですよ。あんなに大変だったのに。
最後に。どのような個性を持つ猫と暮らすようになるのか、こればかりはわかりません。
また、どんなに手がかからないコでも、老化や病気で、世話に明け暮れる日々が待っているかもしれません。
猫を飼う、猫と生活を共にするのは、この上ない至福であると同時に、決して責任を放棄してはいけない。
それは、ここをご覧のあなたもよく理解されていると思います。
愛猫のために頑張るあなた、たまには心の休息をとってくださいね。
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