保護猫を里親として迎えるには

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保護猫を保護主さんから引き取って里親になりたい時、どういう経過をたどっていくのか、私の経験を織り交ぜながら書いていきます。

保護主さんから保護猫を引き取って里親になる

まず、忘れないでほしいのは、飼い猫の多くは寿命が20年前後となります。
あなた自身が20年という月日を、これから迎えようとする猫と共に過ごす覚悟を持ってくださいね。

保護猫を探すのはネットで「保護猫 ○○県」と検索すると、募集している団体のHPや里親募集サイトが出てきます。

なるべくお住いの地域に近い方が良いでしょう?それは保護主さんも同じです。
保護主さんが里親を希望するお宅に直接出向くといった条件が多いのと、やはり近い人が優先される傾向があるのです。

また、猫ちゃんにとっても移動距離を極力短いほうが負担は少ないでしょう。
保護されて慣れない環境に移り、今度は里親へ引き取られ、猫にとって本当に大変な出来事だと思うのです。

ただ、その先には安心して暮らせる終の棲家と幸せな日々が待っています。
今だけ我慢してもらって、幸せになろうねと。

保護猫の里親になるための条件

保護猫の里親になりたい場合、まずはどんな募集があるのか、譲渡会の案内や里親募集サイトにひと通り目を通しておくと良いと思います。
募集している団体、もしくは個人により譲渡の条件も違います。

団体のHPや里親募集サイトを見ていると、一目で気に入ってしまうコがいるかもしれませんが、ある程度は色んな保護猫をご覧になって決めても遅くありません。

保護猫の里親になるのは簡単そうに思ってしまいますが、保護主さんにより「里親の条件」がかなり厳しいのです。
保護団体が一番厳しく、個人になると緩やかな傾向ですが、個人でも保護団体の条件(や他の人)を倣って厳しい場合が多いと感じました。

里親の条件として目にしたもの全て、記憶の限り書き出します。
※どの里親も、この全てを条件にしているわけではないので、誤解なきよう。

  • ・猫を飼育できる住居である
  • ・パートナーと同棲していない
  • ・小さな子供がいない
  • ・脱走防止を講じている
  • ・猫を飼った経験がある
  • ・社会人である
  • ・一人暮らしではない
  • ・年齢は60歳まで
  • ・後見人がいる
  • ・猫を飼育できる収入がある
  • ・当分引越し予定がない
  • ・事前の自宅訪問
  • ・譲渡後は画像やメールを送る

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「パートナーと同棲していない」は「もし別れたら?猫はどうするの?」という理由で、40年近く前に勤務先の近くで譲渡会があり、実際に聞こえた話。

「一人暮らしではない」も、同じ時に「あなたが病気になったら?誰が世話するの?」と。
近くに親がいるからと食い下がっていましたが、譲渡されませんでした。

「小さな子供がいない」は、猫にとって子供はストレスになるからだそうです。
確かに、猫の扱い方がよくわからない子供がいて、その家族も止めようとしない、というのをテレビや動画で見たことはあります。

ただ、親に飼育経験があれば、酷いことにならないと思うのですが。
第一、幼い子供じゃなくても、疑問を感じる大人も多いのも事実。

「後見人がいる」は、何らかのアクシデントで猫の世話ができなくなった時に、引き続き面倒をみてくれる人がいるかどうかです。
例えば介護。事故や病気で誰かの介護をしなければならなくなった、自分が介護される側になるかもしれません。

個人的には行き過ぎな感じしかありません。その後見人にアクシデントが起こるかもしれないのに。

「事前の自宅訪問」は、テレビ番組で見掛けることがありましたが、保護主が里親希望者の自宅に事前訪問します。
脱走防止を講じているかや、賃貸ならペット飼育可と掲載された書類を確認するため、どういった人物か見極めたいというのもあるでしょう。

「譲渡後は画像やメールを送る」というのは、食事やトイレが出来ているか、衰弱した様子はないかなど保護主が確認をするためです。
基本的に「トライアル期間」が設けられることもあり、うまくいっていない場合は保護主に返さなければなりません。

保護主さんに開示するもの
多くは身分証だけですが、他にも求められる場合があります。
保護主さんによって違ってくるので、必ず確認しておきましょう。

  • ・身分証
  • ・賃貸ならペット飼育可と掲載された書類
  • ・年収が証明できるもの
  • ・脱走防止を講じている写真

厳しさの背景にあるものと矛盾

ペット飼育可ではない賃貸だったり、中には昭和的に猫を完全に室内飼いにせず、外に出して飼う人もまだいます。
国からも猫のを完全室内飼いを推奨されてはいるのですけどね。

「猫に幸せになってほしい」からであり、譲渡しても戻ってくるようなことは避けたいです。
中には虐待などを目的にした里親詐欺があり、本当に酷い人が一定数いるのは否めません。

こちらの記事をご覧ください。このケースは自宅訪問もされていたのですが・・・。
・地域情報サイトを悪用…“里親詐欺”か?子猫の譲渡でトラブル、虐殺が疑われる写真も

ただ、里親の条件を厳しくすることが、そのまま幸せな猫を増やすとは限りません。
厳しくなるほど「うちじゃダメだね」となっていくばかりではないでしょうか。

団体なら住所など公開されていますが、個人が自宅訪問となると、矛盾を感じざるを得ない。

猫を連れて来た時に譲渡契約書を交わす人もいれば、厳格を期すために譲渡が決定すると譲渡契約書を交わすために三度訪れるケースもあります。
そして、こちらの住所どころか場所が完全に特定されるのに、保護主の家をこちらが訪れることはありません。

女性の一人暮らしの家に、男性が訪問するというケースもあるでしょう?個人的にはあり得ない。
もし、やむ終えずそういいった状況になるなら、お友達やご家族、男性に同伴してもらいましょう。

中には、年収の証明まで必要だとする保護主もいて、その場合もこちらの年収を知られても保護主の年収はわかりません。
里親に身分証の提示や年収の証明を求めるなら、少なくともそこは保護主も同様にするべきだと私は思うのですがね。

色んな条件の中、一緒に保護したきょうだい猫も一緒に引き取って欲しいというのもけっこう見ました。
確かに、きょうだいと一緒に暮らせるに越したことはないかもしれません。

猫って群れでの生活はしないのですよ。一緒じゃないと可哀想というのはどうかなと。
ここも引き取り手が諦める条件のひとつでしょう。

我が家の旅立っていった猫たちは、きょうだいか母親違いで、状況的に一緒に引き取っただけです。
もちろん、そのおかげで多頭飼育の楽しさを教えてもらいましたけどね。

以前の経験があるので、2匹までなら飼えなくはないですが、今住んでいる賃貸は、猫の飼育は1匹までと決められています。
また、こちらも年齢的に今は良くても将来大変かなとも思いました。

条件が合う保護主を探す

様々な厳しい条件があるのは「仕方がないこと」と割り切るしかありません。
ただ、細かく見ていくと、年齢制限程度しか条件を設けていない場合もあるのです。

保護団体が一番厳しく、個人がそれに倣っているので、厳しい条件を避けるなら保護団体はやめましょう。
保健所だと、地域によって条件がまちまちだったので、最寄りの保健所のHPもチェックしてみてくださいね。

私は引越しの準備や片付けの合間に、よく里親募集サイトを眺めていました。
やはり生後3ヶ月位の子猫はすぐに里親がみつかる、見つかりやすいですね。

最初は子猫をと考えていたのですが、次第に生後5~6ヶ月、1年位ならいいかなと思い始めました。
子猫の時期はすぐに終わるんだし、少し人に慣れたコだと飼いやすいかもしれないなと。

脱走防止フェンスなどを作成しながら、生後1年位まで含めて改めて見直すと、里親になりたいと思うコが一気に増えました。
そしてモカに出会うことになります。

ただ、モカは里親募集サイトに掲載されていたわけではありません。
ここからはモカの里親になるまでの様子を。

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里親になるまでの経緯は意外だった

先代のコは黒猫(ほんとは真っ黒じゃない)。
黒猫ココアがなんともユニークで、次も黒猫にしたいと言ってはいたのです。

ただ、私自身はアメショ風のみるくと何か特別なものを感じていて、彼女の様なコがいれば・・・と、初めはみるくの面影を求めていました。
親バカですが、あんなに可愛い猫は本当にいない。あきらめて黒猫さがし。

もちろん、黒猫じゃなくても「この子は!」とピンとくるものがあれば、色や模様は関係ありません。
結局、縁があったのでしょうね、ココアよりも更に黒に近いモカに出会うことになります。

上にも書いたように、モカは里親募集サイトに掲載されていたわけではありません。
里親募集サイトに掲載されていたコに会いに行ったら、他にも黒猫いますよ?見てみます?と紹介されたのです。

そこは遠方ではありましたが、主人に頑張って行ってもらいました。
保護主がこちらに来ることはなく、里親希望者が施設に見学に行き、そのまま引き取りOK。

里親募集サイトには特に詳しい条件もなく、アポをとって、保護主にこちらがうかがう形。
かといって、保護団体ではないんですね。保護主は、ブリーダーが本業で、保護猫の施設の運営もしている方でした。

現地から黒猫を3匹紹介されたと連絡が来たのです。
私は一緒に行っていませんでしたから、猫を選ぶのは主人に一任。

里親募集サイトに掲載されていたコは、保護されたばかりで生後3ヶ月位でしたが、モカは保護されてさらに3ヶ月ほど経っていたので、生後6ヶ月位でした。
モカ以外の2匹は結構ヤンチャらしく、人懐こそうなモカを選ぶことに。

子猫以外も視野に入れてほしい

私も上に書いたように最初は子猫をと考えていたのですが、次第に生後5~6ヶ月、1年位ならいいかなと思い始めました。
子猫の時期はすぐに終わるんだし、少し人に慣れたコだと飼いやすいかもしれないなと。

先代のコたちは生後3ヶ月位で、ミルク時期は終わって、フードはカリカリで大丈夫でした。
食事の苦労は特にせず済みました。

ただまあ、特にみるくは元気いっぱい、あっという間に色んな所によじ登るようになるし、すばしっこくて捕まえるのさえ一苦労。
まだ小さいから、色んな隙間に入るは、すり抜けるはで、まさにてんやわんやですよ。

かたやココアは超がつくおっとりで、色んな所によじ登るみるくを「わあ、すごいなあ」見上げているだけ。
1ヶ月遅れ位でようやく、みるくと行動を共にするように。

また当時はもう1匹おじいちゃん猫のシュリもいたし、私は猫を飼うのは初めてなのもあって、本当に飛ぶような日々でした。

彼らがいた時に比べると、モカは気抜けするほどラクです。もちろん、1匹だけというのもあります。
主人が言っていたように人懐こいので、翌日には主人の膝に甘え、翌々日には私の布団にやってきて一緒に寝ました。

1週間もしないうちに、まるで前から一緒に暮らしているような馴染みっぷりで驚きました。
子猫特有の可愛い時期はあっという間に終わるので、生後6ヶ月といわず、1年位のコでもいいのかもとさえ思いましたもん。

もちろん、猫自身の個性がありますから、月齢だけでどうこう言えないとは思いますが、里親になる時は少し大きくなったコも検討してほしいですね。

ペットショップの猫はダメなのか

「ペットショップの猫ではなく保護猫を」と呼びかけているのを見掛けます。
ペットショップで、わざわざ高いお金を払ってまで猫を飼わないで、困っている猫は他に沢山いるのだからと。

それを否定しようとは思いませんが、ペットショップで売られている猫も、売れ残ればどうなるのでしょう?
保護猫もそうですが、子猫ほど引き取り手が見つかりやすように、ペットショップの猫も初めは乳離れしたばかりの子猫だったのに、売れずに成長していき、値段が下げられても売れない。

我が家が買い物に行くディスカウントストアは、ペットショップや熱帯魚のコーナーが併設されています。
子犬が圧倒的に多いですが、猫も3匹位常時いる感じで、保護猫も置くようになりました。

今は明らかな売れ残りの猫を見ることはありませんが、数年前まで値段が下がっても残っている猫がいました。
こちらに経済的余裕があるなら引き取りたいと、よく思っていたものです。

この子は、今後どうなるんだろう・・・と。

  • ・繁殖のためにブリーダーへ
  • ・ペットショップ主催の譲渡会
  • ・愛猫保護団体引に引き取られる
  • ・専門とする業者に引き取られる

中には悪徳業者もいて、命が粗末に扱われるといった可能性もあるのです。

一番良いのは信用できるブリーダーから直接譲ってもらうことで、日本もその内ペットショップでの個体販売は無くなる流れです。
悪徳ブリーダーがいるせいで、ブリーダーというだけで目くじら立てる人がよくいますが、保護活動も行っているブリーダーもいますヨ。

それが例え税金対策や偽善に見えても、猫が保護され終の棲家を見つける一助になっているなら良いではありませんか。
私がやりたくてもできないことを他人の誰かが行っている、そう思いますね。

猫を飼うのは初めてなら

猫を飼った経験がある方ならわかりますが、初めての方に事前に知っていてほしいことがあります。
ネットにあふれる猫の画像や動画を見ていると、猫との楽しい生活に期待が膨らむでしょう。

個別にまとめていますので、初めてならご覧になってください。

猫を飼う前に知ってほしいデメリット あなたの生活が一変するかも

猫を迎える前にしたい準備や対策 安全面には最大限の配慮を

猫との生活は、デメリットもあるのだと理解した上で飼ってくださいね。
ただ、猫との生活に慣れてくると、デメリットとまでは感じなくなるかもしれません。

私個人の経験ですと、18年間、正直しんどいことも沢山ありましたが、彼らが旅立ったあとは、もっともっと世話させて、どんなことでも迷惑なんて思わないよとしか。
きれいごとかもしれませんが、今となっては全部が良い思い出でしかないのです。

彼らはただただ、癒しを与えてくれる、何もできない私を叱ることもなく、沢山の幸せをくれたのです。
幸せだけを残し、旅立った彼らに貰った、あたたかく素敵なことは、恩返しのかわりにモカへ。

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